ショパンのバラード第4番。ルガンスキーの演奏が最も説得力があると思います。
バラードの第4番って、実はわたしもそこそこ弾けます。完璧ではないけれど。表現力も十分ではないけれど。
だから、自分で演奏してみて初めて、大好きなポリーニの演奏でもうなずけなくなくなる
所も出てくるんですね。
この曲はたくさんの演奏家で聴きましたけど、何かしら腑に落ちなくて、どこか聴いていて胃もたれ感みたいなものを感じたりで、心からうなずける演奏ってないかな、と探していました。そんな時、ポリーニの録音に出会って初めて、この曲の論理的な構築が見えて、この曲がいっそう好きになりました。
ピアノを習うのを結婚後再会して3年くらいでこの曲に打ち込む事ができるようになりました。初年度は「テンペスト」とバラード1番で大苦戦でしたから。
この曲のちょっとしたニュアンスを教えてくださったのが、モスクワ音楽院を出られた、カンデインスキー氏でした。わたしの技術的な不足分を、ショパンのエチュードで補うのではなく、ロシアの作曲家の小品やエチュードを弾くこと、ラフマニノフなら前奏曲で練習することをアドヴァイスされました。
そのお言葉に従って、猛練習を積み重ね、今日やっと、まだ表現やテクニックにムラがありながらも演奏する事ができるようになりました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
これによってショパンのエチュードも比較的に容易に練習できるようになり、何よりも、左手の脱力と運指12の力が強くなり、左手の打鍵力が強くなりました。
習っている先生からも、ラフマニノフやブラームスを勉強できると言われるまでになりました。
そんな話はさておきまして。
自分が練習していきながら、楽譜とにらめっこしていくと、技術がアップすると、同じ箇所に別の解釈を見出せるようになることに気づきました。
すると、ポリーニの演奏が良いはずなのに、ポリーニの演奏とは真逆の演奏が出来上がったわけなんです。自分の好む演奏と、自分の演奏は異なる事に違和感を覚えるようになりました。
なので、またいろいろ演奏を聴きまくってみました。
2010年のショパコン覇者のアヴェデーエヴァの演奏がすごく印象に残りました。
彼女は素晴らしい女流ピアニストです。ただ、残念なのがラフマニノフの演奏でした。
女性でも男性のように力強くラフマニノフなどの男性のロマンを描写できるピアニストが現れてくれるととても嬉しいのですが。
わたしはどうしても力強い演奏を好む傾向にありますので、男性で探しまくりました。
そして見つけたのが、この演奏です。
これほどショパンの楽譜を奥深く読み込んだ演奏はないと思います。
もちろんCDも買いましたよ。ルガンスキーのCD&DVDは全部持っています。
ポリーニの演奏は横のつながりを意識した演奏に聴こえます。もちろん解釈は天下一品なのですが。ですが、ショパンがこの曲でここまでの速さを求めていたかとても疑問に思うのです。この曲は横のつながりだけではなく、一字一句正確に読み上げるのと同じように、一つの♬を正確に演奏しなければならないと思います。
そうなると、ポリーニの演奏ではペダルで濁ってしまうこともあり、またそれほど謳っていないように、ルガンスキーの演奏と比較すると聴こえるのです。
ポリーニの演奏はあらかじめ考え抜いた結論の演奏です。
でもルガンスキーの演奏は、演奏中でも、本人自身が考えながら演奏している印象を音から受けるのです。バラードとは、結論ではないですよね。
それにこの曲は完成した演奏をするべきではないのではないか、という個人的な考えもあります。だから、わたしはルガンスキーのショパンの演奏も大好きなのです。
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